「まあみは、橋谷を知っているだろう。橋谷アラタ」


アラタ…。


私は、ゆっくり頷いた。


「アラタと俺は、親友だった。俺も橋谷病院に入院する患者の一人だったんだよ」


アキラは少し笑いながら言った。


アキラが入院?


アラタと親友?


もう、なにがなんなのか分からない。


「俺には、まあみがアラタを殺したようにしか見えなかったよ」


……………。


あぁ、あのとき、アキラも見てたんだ。


「俺はね、恨んだよ、まあみのこと。でも、今は愛してる。愛してるんだよ!!!」


いつもの闇に満ちた目ではなかった。


アキラ、怒ってる。


愛故に、恨んでる。