「はい、まおの負け~罰ゲーム決定~」
「う…嘘でしょ…」

このクラスの流行ってる遊びそれは
『値段あて罰ゲームクイズ』だ

売店で売ってるパンやらペンやら
色んなものの値段をあてるというどうでもいい遊び。

私は今パンの値段あてで負けてしまった。
罰ゲームは様々である。

『先生にハゲって言う』『逆立ちしてろっきゅーと言う』 実にどうでもいい罰ゲーム。


「なっ…何の罰ゲーム…?」
私は恐る恐る聞いてみた。

「ん~まおはね~どうしよっか」
友達がこそこそ考えている

変な罰じゃなきゃいいけど…

「決めたよ~ん」

意外に早かった。何なのかな…

「まおの罰ゲームはあそこにいる田鹿悠君に告ること!」

「はぁっ!?」

田鹿君はクラス一の地味な男の子で
無口で無愛想で…男子やら女子やらに気味悪いと評判

私はそこまで変に思ったことはない
ちょっと他より地味であっただけで…
そこまでブサイクではない。
髪の毛サラサラだし。

「え…私が良くても田鹿君に失礼だよ…」
「田鹿が!?うけるんだけど!!アイツは別にモテないんだからいいの!」

「えっ、でも…」
「いいから!!罰ゲーム!!ちゃんと守れ!」

強めに言われて反論できないまま私は田鹿君に向かった

「たっ…田鹿君…」
「何?笹野さん」

どうしよう言えないよ…

「えっと、私ねずっと田鹿君の事好きだったの。気持ちだけ伝えたくて…」

キャハハハと男子女子からの笑い声を背中で受け止める。

あんたらが言えって言ったんでしょ!!

「笹野さん」
突然呼ばれてビックリした。

「はっ、はい!!」

「ゴメンそういうのはやめて」


「え…」

教室が静まり返った。

「キャハハ笹野田鹿にフラれてやんの!!うける~!!!!」

何だろう別に嘘の告白なのにフラれるって…意味分かんない…

「最悪!!田鹿君なんて死んじゃえよ!!」

私は悔しくて教室から出て行った
言うんじゃなかった。いくら嘘でもすっごく後悔。

誰があんな地味な男の事なんて好きになるかっつの!!

私は涙を手でぬぐった