「いいなぁー彼氏と同棲だなんて羨ましい」


「か、彼氏と言ってもただ好きって言われただけだし」


「じゃあ、なんでキスするの? 彼氏だからでしょ?」




うう……テルミに改めて言われると恥ずかしくなる。あたし、聡ちゃんとキスしちゃったんだ。


聡ちゃんの大きくて温かな手はあたしの頬に優しく触れてきて、聡ちゃんの言う通りに目を閉じて、ただ聡ちゃんの愛を感じてた……


触れた唇の感触がまだ残ってる。



「携帯、赤外線しよ」


「赤外線?」


「メニューゼロ押してみて」



テルミは携帯電話初心者のあたしに丁寧に使い方を教えてくれた。



「これでメールできるね!」


「うん……でもあまり使ったらお金かかるし」


「パケ放題つけてるっしょ?」


「パケ……? よく分かんないけど携帯料金も聡ちゃんが支払ってくれるんだからやっぱりバイト探さなくちゃ」



あたしは慣れない携帯電話をいじっていると、ある人の名前を見つけた。



こ、これだっ!!