俺の中は...


心ん中は...


君色だよ。


赤でも、黄色でもない。


君だけの色。


君色だよ。


「涼介?」


「ん...何?」


「なんでもない」


「は?」


「ただ呼びたかっただけ」


柔らかくなった君の表情が愛しくて、抱きしめたくなった。


呼びたかったって...


可愛すぎ。


「夕日、きれいだよ」


お前のほうがきれいだよ。


そんなん言えない。


恥ずかしすぎるよ、台詞。


「きれい...だな」


夕日は、俺達をオレンジ色に染める。


フローリングに作られた二つの影。


重ならず...


近づかず...


離れず...


動くことはなかった。


ひとつの距離を上手に保ってる。


「まぶし...」


君は大きな目を細めた。


俺も目を細めて、夕日を見つめてた。