「……じゃあ行ってくるから……。うさ…、あまり無理するなよ?」



「だいじょーぶ。パパは心配性だねぇ?」



そう言いながら腕の中の白羽に笑いかける。



時春は苦笑しながら可愛い二人の頭を撫でて出かけて行った。



いってらっしゃ~いと白羽の手を取り振って、時春の車が見えなくなると家の中へと入った。



時春は現在、獣医を目指す為に大学に通っている。
そして……学生時代に貯めたかなりの額の貯金を元手に株を転がすという……頭の恐ろしく切れる時春ならではの離れ業をやってのけている………。



なので、よくパソコンとにらめっこな彼を雪兎はよく見る。



それでもおかげで藤間家の財政事情は充分に潤っていると言えた。



雪兎は高校卒業後、デザイナーである母の手伝いをしていたけれど…結婚後に白羽の妊娠が発覚して、心配してならない時春の意向とひどい悪阻などの体調不良で専業主婦に落ち着いていた。



なので以前は時春がしていた料理も全て雪兎がこなす。



それでも優しい時春はたまにその腕を奮ってくれるけれど……。






「……さて。今日はあきとなつが遊びに来るし、きれいにおそーじしなくちゃね?」


「……う~??」


雪兎は白羽に微笑んでまずは一階を片付けてやろうと気合いを入れた。