はぅ~~~……

ええもんじゃね~。


このハグで6ヶ月分の恨み辛みが氷解しちゃったかもかも。

課長をギュッと抱き締め返す。

ピピピピピピ!

その時、課長の腕時計の電子音にはっとなり、課長を突き離す。

「課長!一体、どうしたんですか?」

課長はちょっとムッとなりながらも、ボソリと呟く。

「忘れ物をしたからな。取りに来た」

「そう言えば、佐久間主任は?」

「下に待たせてある」

そうなんだ。

ほっとして、再び課長と目が合う。

やっぱ、慣れない。

この目を見ると、ドキドキし過ぎちゃって、落ち着かなくなる。

目をそらして、そぉ~っと課長から後ずさる。

「そっ、そう言えば、忘れ物って何ですか?急がないと……」


課長の忘れ物を持ってきてあげようと課長に背を向けた瞬間、後ろから抱きすくめられる。