目からウロコがボロ落ちって言うのは、こーゆーのを言うんだ。

掌でポン!とコブシを打つ。

「そっか!そうですよね!」

すごい。

今まで思いもつかなかった斬新な発想だ。

さーすが、奥田課長の愛弟子だけあって、着眼点が違う。

「佐久間主任、証券アナリストの資格を持ってましたよね。分析力抜群じゃないですか」

思わず彼の肩をポーンと叩く。

佐久間主任は、なぜか怪訝そうに眉根を寄せて、肩を押さえながら、溜息を吐く。

「…………いや、訂正。それが原因じゃないな。と言うより、君、相当ニブイ」

「えっ。どういうことですか?ニブイって何ですか?」

佐久間主任のニブイ発言に驚き、彼に詰め寄る。


「こんな簡単な問題も解けないから、外務員一種試験もギリギリ合格なんだろ」

佐久間主任から人差し指でおでこをバチィィィンと弾かれる。


いったぁぁぁぁぁい!

デコピン命中なんですけど(怒)


しかも今のショックで腹がイタイ。




…………ん?




は・ら・が


イ・タ・イ?



お腹を抱えてその場にしゃがみ込む。


「おい、どうした杉原君」


駆け寄る佐久間主任に、「大丈夫です!」とパーを出して、こっちに来るなオーラを発動する。




乙女杉原。

さすがに言えません。





トイレに駆け込みたいっ!


なんて。