「はぁ~~~」

課長は深い溜息を吐くと、急いでYシャツをはおる。

「バカなこと言ってないで、これに着替えろ!後1時間でここを出るぞ」

呆れ顔の課長がテーブルの上にあるビニール袋を私の頭の上にポーンと放る。


なに?

これ?

手にしてみて、見なれたカラーと素材感に自分のスーツとシャツだと分かる。


「これ……」

「汚れは取れたそうだ」

ぽぉっと自分の手の上にある服を見ていると、目の前に課長が腰を下ろす。


「すまなかった。お前は寝室で電話しているようだったし、まだ出て来ないと思って……。配慮が足りなかった」


羽織った課長のYシャツの隙間からは、引き締まった課長の裸がちらちらと見える。


落ち着いて良く良く見てみると、課長の裸ってば、キレイ……

男の人の体にキレイとか言うのもちょっち変なんだけど。



でも……


村長さんのとは違う。


現役(←ん?現役??)の男の人のナマ裸を、こんなに間近で見たのは生まれて初めて。


はぁ……すごいや。

引き締まってって、私のポヨヨ~ンボディとはまるで違う。

トレーニングとかしてるな、こりゃ。


見惚れていると、課長の手が突然、私の鼻を摘んでおでこをぐいっと乱暴に上に押し上げる。


「はへっ?かひょ?」

「上向け!上を!!」

「……?」

「そのまま、いいな!?」


課長は急いで寝室からティッシュボックスを持って来ると、私の鼻にズボッとティッシュを突っ込んでうな垂れる。



「断言する。お前は、俺が受け持った部下の中で、最高に手が掛かる」