「おはよう、杉原君。タコダンス踊って、相変わらず変なヤツだな」

「佐久間主任!ひどいです。タコダンスなんて踊ってません!」

「そう?こんな感じで踊ってたけど」

佐久間主任がからかって私の真似をする。

むかつく、似てる。

「ところで、昨日、奥田さん大丈夫だった?」

佐久間主任の笑顔が、真顔に戻る。

バッ、バレバレだったんですね。

コクンと小さくうなずく。

「昨日は、休んじゃってすみません」

「……」

佐久間主任はそれには応えず、黙って隣を歩く。

数歩歩いたところで、聞き取りにくい声で佐久間主任が口を開く。

「君と奥田さんは、もう……」

「えっ?何ですか?」

周りの喧騒に遮られ、良く聞こえなくて、耳に手を当てて聞き返す。

「いや、やっぱり、いい。……聞きたくない」

聞きたくないって……。

何を?

「先に行くよ。ちょっと急ぐから」

佐久間主任は私の頭をポン!と軽く叩くと、走って横断歩道を渡っていく。