恋愛には、女を欲深くするとてつもなく大きな魔物が棲んでる。

そんな感じがする。

もっと、もっと、もっと!って、際限無く課長に求めてしまう自分が怖い。

前は、私みたいなザコキャラと付き合ってくれただけで、感謝感激雨アラレだったのに。


いつから、こんなにもっとを求めるようになったんだろう。

それに、何か言うにも、行動するにも、『これ、重いかな?』とかとか、『こんなこと言ったら、課長、ドン引いちゃうかな?』みたいな……。

考えてしまう……。

構えてしまう……。

うーむ。

私らしくないぞ。

私、いつからこんなに慎重になっちゃったんだろう?


……Hしてからか?

ふ~む……。

Hねぇ……。



そういえば、最初は、めちゃくちゃ痛かったなぁ。

でも、課長はすごくテクニシャンで……。

それに私も、段々、課長に体が馴染んできて……すごく良……


ゴ、ゴホン!

ゲホゴホゲッホン!!




私ってば、朝から何思い出して……。



出勤途中の路上で、真っ赤になりながら、頭をポカスカ叩く。

これから、ビジネスなんだぞ。

切り替えなきゃダメよ~、ダメダメ~。


必死に思い出したことを消そうと格闘していると、後ろからポン!と肩を叩かれる。