課長は、私を抱きかかえたまま脱衣所のドアを足で蹴り開けると、ベッドルームのドアノブを肘でちょこっと下げ、これまたドアを足で蹴り開ける。

お見事です、課長。

器用だなぁ~。

なんて、感心している場合じゃなくて!

今や、私の戦闘服はこの心もとないバスタオル1枚だけなわけで。

しかも、もうベッドの上に到着。

「かちょ……」

「なんだ?」

囁き返しつつも、課長はキスで私の唇と思考を奪っていってしまう。

「あの……、電気……」

バチン!

前回のことで学習してくれたのか、課長は目にも止まらぬ早業でさっさと電気を消してくれる。

ほ~っとしたのも、つかの間、課長の手はいとも簡単にバスタオルを解いてしまう。

「やっ……」

今までに感じたことのない恥ずかしさに、身を捩って、ベッドの隅っこに逃げる。

そんな私の背中を課長の唇が這う。

ぞくぞくぞく~っと、鳥肌が立つ。


どうしよう!
どうしよう!
どうしよう~!!

もう、課長はきっと止まらない~!!

このときになって、心底後悔する。

気合を入れるべきは、さっさと脱がされてしまう下着なんかじゃなく、このポヨヨ~ンボディ自身だったんだって。