がーーーん!

『俺は父親として失格だった』って?!

って、って、言うことはこの人、課長のお父様ってこと?

いきなりの課長のお父様登場!

心の準備、できてなかったぁぁーーーー!!!

しかも……

『あいつの選手生命を奪った俺のこと……あいつはきっと今も憎んでいるだろうな』

ということは、課長の腕に致命傷を与えたのは、澤村専務じゃなくて……

この人なの?

マジマジと車椅子の男性を見る。


でも、よくよく見てみれば、この人、ちょっと課長に似てる。

そうだ!

澤村専務のときに感じた。


『目』だ。

この『目』。


課長に似てる。

特に出会った頃の、性格が悪そ~な、根性が曲がってそ~な、このふてぶてしい眼光鋭いこの『目』。

人の心の奥まで見透かしてくるかのようで、なんか怖い。

でも、今の課長の目は、愛情が加わって微妙にいい感じなんだけどね……。


車椅子に乗っていた課長のお父さんは、ぶっきらぼうに美魔女様に向かって口を開く。


「ああ、それから、静江(しずえ)。
何度も言うが、もう来なくていい。
俺に対する贖罪(しょくざい)なんていうのはいらん。
兄貴にも言っとけ。
2人してもう俺に気を使わんでもいいってな」

「公章(きみあき)さん……」


似てる!

やっぱり、チョー性格の悪そうな口調も、バッチリ課長似だ。


「俺にかまうな」

「でも……」

「じゃぁな、お嬢さん」


課長のお父さんは自分で車椅子の車を回し、クルリと方向を変えて行ってしまう。


「公章さん、待って!由紀さん、ごめんなさいね」


美魔女様が急いで課長のお父さんの後を追う。