ビバ!アメリカ!!

アメリカっていいところじゃねぇ~♪

これは是非、厨房に戻ってですね、デザート作りにいそしまなくては!

おぉっと、それにはまず課長に断ってこなくては。

「しばらくお待ちください。ババロアは時間が掛かって無理かもしれませんが、代わりのものをお作りします!」

「まぁ!楽しみにしていますわ」

女性の応援を背に、いざ!行かん!厨房GO!!

と、意気込む私の背後からKY横田から疑問の声を挙げる。

「ところでさ、なんで、杉原ちゃん、奥田取締役と一緒にセレブに挨拶回りしてたわけ?それに……そのドレス……」

いけない!

課長と私のこと、今まで秘密だったこと忘れとったわい。

説明しなきゃだの。

「あの……実は……私た」

「まさか、付き合ってるわけないよね。だって、杉原ちゃん、さっき、佐久間主任とキスしてたし」

「キ、キッスゥゥゥゥ!!」

はぅっ!

わ、忘れてた!!!

「あ、あ、あのキスは……」

「したのか?」

「したのかって、確かにしたけど……」

ん?
チョイ待ち!?

さっきの「したのか?」発言。

KY横田にしては妙に声が……声が低くて、妙に美声で……

しかも、声は背後からだったような気が……



気が……す……る。



恐る恐る振り向いて、さぁ~と血の気が引く。



そこには、コップをひとつ握り締めた課長の姿が……



ああっ!


なぜそこにいるんですか、課長!!!