翌朝、けたたましい目覚まし音に飛び起きる。

ぼぉっとしたまま、辺りを見回す。

でっかーいベッドに、真っ白なシーツ。

なんか、デジャブ。

以前もこんな光景があったような気がする。

んでもって、窓の外は、隣の家の壁じゃなく、巨大なビル群が乱立している。



……そっか。

私、NYに来たんだ。

で、課長に会って……。


そうだ!

課長とこの部屋へ来て……。

結局、課長はあのまま寝ちゃって、続いていつの間にか私も寝ちゃったらしい。

急いで目覚まし時計を止めて、リビングに走って行く。

「課長?!課長、おはようございます!」

いない。

顔でも洗っているかなと思い、バスルームに行き掛けて、足を止める。

リビングのテーブルの上に何かメモ書きがある。

課長の字っぽい。

ワクワクしながら、メモを覗き込む。

『また後で』

・・・・・・。

おいおい。

これだけかい??

裏に返してみたり、折り畳んだりしてないかってみてみたけど、やっぱりこれだけ。

いいけどね。

もうす~っかり慣れたけどね。

ふて腐れていると、今度はチャイムが鳴る。

もしかして、課長?!

忘れ物でもしたのかも。

急いで、玄関の扉を開ける。


「かっ……」

扉を開けるとそこには佐久間主任。

「おはよう、杉原君。……って、君、昨日、そのかっこうで寝たの?」

「へっ?!」

そう言われてみて初めてそろーりと目線を落としてみる。

胸元まで肌蹴たブラウスに、しわくちゃのタイトスカート。

それに、化粧は落としてない上、夜会巻きはバサバサ。

「き、きゃーーーー!!!」

気付けば、佐久間主任にハリ手をかましてしまっていた。