チュンチュン
小鳥のさえずりが
聞こえる。
あたしは、北条楓。
13歳。元気だけが
取り柄の中学1年生。

「ん~?おはよー、
かえちゃん。
今日も起きるの
早いね?」
あたしをかえちゃんと
呼ぶのは、
双子の姉の北条桜。
あたしと違い、病弱で、
小さい頃から
入退院を繰り返してる。

「おはよ、さくちゃん。
起こしちゃった?
あ、起きたなら、
体温計っといて」
あたしは、
体温計をわたす。
「もー。かえちゃんは、
心配性なんだから」
ぷーっと頬を
膨らませながらも、
体温を計るさくちゃん。

ピピッと音がして、
あたしが、体温計を
チェックする。

「37.5℃だよ。
ママに報告してくる」

「やっ、かえちゃん
ヤメて!
熱出してるなんて
言ったら、
学校行けなくなる!」

さくちゃんが必死に、
あたしをとめる。

「さくちゃん。
でも悪化したら…」

「かえちゃんには、
わかんないよ。
あたしが、どれだけ
学校に行きたいか。
お願い!学校から
帰ったら、
病院に行くし、
ちゃんと寝るから。
1時間でも良いから、
学校に行かせて」

「さくちゃん…。
わかったよ。
でも、辛くなったら、
絶対に我慢しないで、
あたしに言ってね。」

「かえちゃん、
ありがとう!」