ケータイ小説 野いちご

放課後図書室

08


案の定。


翌日。


寝不足の私は、斜め3つ前の席の男の子が気になって気になって仕方なかった。


私の気苦労とは無関係とばかりに、授業中に欠伸をしている早瀬君。


その座っている後ろ姿を見て、なんとなく歯痒いような、それでいて目を逸らしたいような、いや、でももっと見ていたいような……。


私の心はチリチリとフワフワの間を右往左往していた。




今、数学の時間。


先生の声は、まるで一枚ガラスを隔てた所から聞こえてくるように、私の耳には届いても意識にまでは届かない。


当然だ。


だって意識は別なところにあるのだから。


授業理解していない方が、また早瀬君に教えてもらえるいい口実になるかも……。


ぼんやりとそんなことを考えてしまった私は、慌てて視線を黒板に戻した。

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