彼女の詩乃が美由と一緒にでていってしまった。
早く戻ってこないかな。
「なぁ、京真。
詩乃ちゃん遅くね?」
確かに。
もうすぐ授業が始まる。
だけど詩乃は戻ってこない。
なんだろう。
嫌な予感がする。
詩乃に何かあったのか?
結局、詩乃は戻ってこなかった。
俺は詩乃の友達の神川と一緒に美由の教室に行くことにした。
「美由いるか?」
「京真!
聞いてよぉ!
さっき詩乃ちゃんにおめでとうって言ったら『あんたにそんなこと言われたくない』って言われちゃったよぉ!
美由、詩乃ちゃんに何かしちゃったのかなぁ?」
詩乃が?
まさか。
詩乃がそんなこと言うはずない。
「ちょっとぶりっ子!
詩乃がそんなこと言うはずないでしょ!
何言ってんのよ!」
美由に向かって怒鳴る神川。
ぶりっ子って。
美由のことか。
「ホントだよぉ。
あと、これ見てぇ」
美由は腕を俺たちに見せてきた。
そこには切られたような傷があった。
「詩乃ちゃんにやられたんだよぉ」