「枕なくて、首、疲れない?」



突然、頭上で聞こえた……

掠れた楓の声。


楓は、照れくさそうに腕を伸ばしながら『おいで』と微笑んでいる。



「腕…まくら?」


「うん、腕枕♪」



今まで何度も男に抱かれてきた。

でも、行為が終わればそれっきり。


だから……

腕枕なんて、生まれて初めて。



ドキドキと騒がしい胸をおさえながら、

そっと頭を腕にのせる。



「重くない?」


「うん、大丈夫だよ」


「本当に?」


「本当だよ」