一番高い位置まで上り詰めた太陽の下で早歩きで進む。


すっきりした……のかな。


だったら、こんなに涙が溢れてくるのは何?



「美那!」


いきなり後ろから肩を叩かれた。


「……沙弥」

「お疲れさま」


優しく微笑む沙弥を見て一気に緊張が安堵に変わって、あたしはその場に泣き崩れた。



これはなんの涙?


言いたいことが言えてすっきりした涙?


それとも、悠の本音を聞けなかった後悔の涙?


それとも………


あたしは、まだ悠が好きっていうこと……?







「……ごめんね。沙弥」


落ち着いて、公園のベンチに座る。


「美那どうしちゃったの?今日謝ってばっかり。いつも意地っ張りで憎まれ口しかきかないのに」

「そう思ったから、言っただけ。なら、二度と言わない」

「もー。美那ったら~」

沙弥が笑ってミルクティーの缶を差し出した。


「ありがとう……」

「美那、やっぱり……」

「やっぱりあたし、ずっと悠のこと好きだったんだね。……でも、もう一回付き合いたいとは思わないの」


あたしは美那にさっき悠と話したことを全部話した。


沙弥は黙って、ただあたしの話に耳を傾けていた。