生憎の雨模様の学園祭中、私は悠陽に抱き着き、脱走を阻止中。

――“何でか”って?

下手に出回ると、悠陽はブレザーのボタンが取られたり、引っ張られてカッターシャツが破れたりするから。

だから私は、岡江先生の頼みで、職員室に悠陽を監禁してる。

私たちのクラスも、悠陽のクラスも、設定した予算で図画工作。

展示だけの、安易なモノだった。

岡江先生と元ちゃんにたくさんお土産を頼んだのに……まだ何も来ない。

…お腹が空いたんやけど…。

私は悠陽の背中に頭突きをしながら、必死に空腹に耐えて耐えて、耐え抜いた。