「今日はこんで終わりやな。
また明日」
元ちゃんが実に適当にHRを締めると、みんなは帰って行く。
私は立ち上がり、元ちゃんに近付いた。
「話があるんやけど…」
「何や?」
元ちゃんはボールペンを片手に何かを書いて居て、私を見てない。
由香里の他に生徒も居ないのを確認し、口を開いた。
「私ん家、家庭崩壊して、兄貴しか居らんのやけど…」
私がそう言うと、元ちゃんは書く手を止め、私を見た。
「信じられへんやろうけど、事実なんやで」
私と元ちゃんの視線がやっと交じり合った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…