「……何かマジ…由貴ちゃんが羨ましくなってきたなぁ~…」


「………?」


あたしはいきなりそんなことを言い出した葉山くんを見て目をぱちぱちさせた。


「……にこちゃんて、マジ可愛いね……?」


「………!?」


な…なんか近いんですけど……っ!?


ずいっと身を乗り出してきた葉山くんに思わず焦る。


「……にこちゃん、睫毛ついてるよ?」


「また嘘でしょ…っ」


あたしはジリジリ逃げつつそう言った。


「……今度はほんと。てか、彼氏の親友信じらんない訳?」


そのセリフに、そう言われちゃうとほんとなのかなぁと思ってしまう。


ぱちりと再び目を閉じてさっさととってくんないかな…と待つ。




「………はぁ~~…。くそ…っ!由貴ちゃんのじゃなかったらなぁ…」


そうつぶやくと今度はほんとについてた睫毛をとってくれた。


ありがとう…とお礼を言おうとしたその時―――







「………何してんの?」


「………っ!!…やべ……っ」





あたしが顔をあげると不機嫌極まりない……由貴くんが立っていた。