「ね、先生。」

「ん?」


葵が教室に戻った後、オレは倉木に話しかけられた。


「葵がテニス部を辞める理由に納得がいかないんでしょ?」

「あぁ。倉木、お前からも辞めないように言ってもらえない~?」

「ムリッ!」

「・・・おまえなぁ、、即答すんなよ。」


オレが苦笑いしてると、倉木は


「先生、本当の事が知りたいんでしょ?」


と、オレに聞いてくる。


「あぁ。」

「じゃ、調べてみれば~?
 渡部先生、調査とかうまそうじゃんっ!」


倉木は少し笑いながら続ける。



「先生ならすぐに分かるよ。
 葵が辞めたくなった理由に、今すぐ退部届けを受けとって欲しい理由が。」

「・・え?今すぐ・・?」


オレが困惑してると、倉木が時間を告げてくる。


「先生、職員室に戻らなくていいの?もうあと2分でチャイム鳴るよ?」

「えっ?!
 ・・・分かった、調べてみる。」



そういい残して、オレは腕時計で時間を確かめながら、職員室へと戻った。

どう探るかを考えながら・・・。