ケータイ小説 野いちご

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ね、先生。

放課後

部活に行かなくなってからの、私の放課後は退屈だった。

早く家に帰っても何もする事もなく、バイトを始めようとも思ったけど、テニス部に未練があるのか?バイトを探すっていう事は出来なかった。



渡部先生に部活に来いと何度も言われた、放課後。


一人で一番運動場に近い校舎の4階に上ってみる。
ここには、視聴覚室がある。

この前授業で視聴覚室を使った時、知った事。
視聴覚室の入り口の隣にある窓。校舎内では、ここからが一番テニスコートが見えるって事を。


元々運動は好きだった私。
始めたきっかけは先輩だったけど、テニスを少し覚えて、楽しさを分かってきた頃だった。
でも、もう何週間もやってない・・・。

「・・・。」

窓から見えるみんなの姿に、練習風景。
自分より上達してるのが分かる。


その時、みんなの輪に入っていく渡部先生らしい姿が見える。


「・・・ちゃんと来てたんだ・・。」


先生の姿に、ちょっと嬉しさと申し訳無さが交差しながらこみ上げてくる。


「・・・ごめん。」


私はそう呟いて、窓に背を向けた。

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