「だからゴメンって言うてるやん」


翌日の昼休み、藍とユキがマリアを問い質すと、彼女は悪びれずにそう言った。


今日は朝から休み時間の度に事情聴取だ。




「もぉ最低、マリア」


「ほんまサイテー」


「でも悟は許してくれたけどな」


マリアはバツが悪そうに鼻の頭をポリポリと掻く。




藍がその背後に回り、後ろからギュッと彼女を抱き締めた。


「こーゆーのって作戦?」


「何それ?」


ユキが訊く。




「マリアにこうされて、悟はもう何にも言えんくなっとった」


「くー泣けるわ」