―――――――――
――――――


ひんやりとした感触にあたしはゆっくりと目を開ける。
ぼんやりと天井を眺めた。


視界が滲む。
目が痛い。
頭も痛い。


「起きたか」

「………朔夜」


声も掠れてまるで病人みたいだ。
首だけ横を向けると呆れたようにあたしを見下ろしている朔夜。


首を傾けるとため息をつかれた。


「泣きすぎて熱出すなんて幼稚園児だな」

「え……?」


熱……?


言われてみると、体が熱い。
朔夜は、あたしの額に手を伸ばすと、何かを取る。
朔夜の動作であたしの額には冷たいタオルが乗っかっていたことに気づく。


朔夜は、氷の沢山入ったボウルにタオルを浸し、絞るとあたしの額に乗せてくれた。


頭のしたにはいつの間にか氷枕にすりかわっていた。