「靈羅さーん!久遠くーん!」

担任が大声で二人を呼んだ。

『チッ…はぁい!』
「…はい?」

灑梛と瑞希は、不機嫌を悟られないように、担任のもとへ向かった。

「んーとね、二人には部活に入って貰わないとダメなのよ」

軽く視線を合わせる灑梛と瑞希。 その内容は…

『(お前、絶対バレー部入れよ)』
「(はぁ!?なんで俺が…)」
『(何?何か文句あんの?無いでしょ?良いよね?
バレー部でも。)』
「(分かったよ…)」

灑梛は無言の威圧で瑞希をバレー部に強制的に入部させた。

「どこが良いとか、ある?」
「あー…じゃぁ、俺…」

灑梛をチラリと見て。

「バレー部で…」

その瞬間、灑梛の表情が、僅かに変わった。

―――――ざまぁみろ、ばぁーか。

瑞希には、聞こえた。
『では、私は…ブラスバンド部で♪』

灑梛は、もはや定番となりつつある、営業スマイルを、担任(女)に贈った。
なんと、その営業スマイルを見て、担任は顔をほんのり赤くした。