「長様、ババ様が……」

「ああ、行く。おい、お前。彩十をしっかり見張っていろよ」


別の弟子がババ様が帰って来た事をわざわざ知らせに来てくれ、

ずっと居た方に彩十の見張りを任せ、雪と月花を伴いババ様の所へ。やっと聞ける。

やっと、彩十の呪いの解き方が聞き出せる。

高鳴る鼓動を押さえながら、ババ様の部屋へと踏み入った。


「さっさと教えてもらおうか」


挨拶はない。日常の事とか彩十の事を楽しく話に来た訳でもない。

ただ一つ、呪いの解き方を教えてくれればそれで良い。

畳にじかに座りあぐらをかいて、今目の前にいるババ様に問いただす。