「あっおはようー!ご飯のいい匂いするー」



二階から目をこすって降りて来る女の子。



「おはようございます」


俺も挨拶を返す。


「もー、敬語使わなくていいのにっ」





「あっ…ごめん。気にしなくていいのに」



だって…、と言って彼女は頬を膨らます。





彼女は、叔父と叔母の子供。

桜井 つばさ。




中3の彼女に俺が敬語を使ってしまうのは

いまだに彼女の明るさに慣れないから。



眩しいくらい明るい女の子で

つい、距離を置きたいと思ってしまう、


俺の心の現れ…。