俺達が扉を開けると100人以上の人達がいた。

彼らは権力者や政治家、さらに国の代表達だ。

『G』幹部だけでなく、世界を支える者達も今回の議会に召集したのだろう。

俺達は用意された中央席まで移動した。

目の前には議長がいる。

議長の横にいる男が椅子から立ち上がり、議長を見た。

議長は男に頷いた。


「これより、議会を始める」


男の号令と共に議会は始まった。


「皆様方、本日は御忙しい中、御集り頂き誠にありがとうございます。
今回議長の補佐を務める中川と申します。
以後、宜しくお願いします」


中川は深く頭を下げた後、議会の進行を始めた。


「今回、御集り頂いたのは、『G』にとって重大な問題が生じたためです。
まず、状況の整理をするため、当事者に説明をして頂きます」


中川は俺達の方を見た。

相棒は頷き、先程確認した書類を持ち、話し始めた。


「我々『G』議長隠密部隊は『辻本ユウジの暗殺』の任務に着任しました。
この辻本ユウジという男は『世界の成長を求める』と言い、各国から技術者と手を組み、『W』という組織を設立しました。
我々は議長の指令で『ヘブン』国内に滞在する辻本ユウジの暗殺を行い、任務を遂行しました。
しかし、問題が生じました。
辻本ユウジは我々『G』の裏切り者だということです」


会場はざわめいた。


「静かに」


中川は会場の雑談を止めさせた。


「続きを」


相棒は中川の指示で再び話し始めた。


「辻本ユウジは我々に二つの忠告をしました。
一つ目が『W』を潰さないこと。
二つ目が『秘書に手を出さないこと』です。
この状況に対して我々は任務以上の仕事は組織にとって不利益と考え、秘書を殺さず、逃がしました。
以上で報告を終了します」


相棒は書類を机に置いた。

相棒の話した内容は『G』本部に着いたときに見たので、完璧なものだった。


「説明ありがとう」


中川は相棒に言った。


「この説明について皆様方、何か質問はあります」


中川は参加者に言った。