「…おはようー!」

「あれ?今日って体育あったっけ?」

「ヤバっ!数学の教科書忘れたー!」




朝の教室はざわざわ……。

わたしはこの春、高校生になった。


学校が始まってまだまだ2週間足らず……


みんなまだまだ探り探り学生生活をおくっている。


当然、クラスが違えば顔も名前もまだまだ解らない人ばかりで……。


あの人……なんて名前なのかなぁ……。


わたしは自分の席についてぼんやり校庭の桜の木を見ていた。


「しーろちゃん!おはよ~!」


「……!」


目の前に現れた美人にびっくりして、ハッと顔をあげる。


「……み…、みかりん」


わたしの幼なじみ、篠崎美華(シノザキ ミカ)が怪訝な顔で立っていた。