〔美優〕
あれから、少し経った。

「美優~髪乾かして~」

拓斗の密かな、甘えん坊は健在。

でも、こうやってあたしだけに甘えてきてくれる事が嬉しいので文句は無い。

ブォ~~~

プルルルル

プルルルル

「ちょっと、待っててね・」

あたしは受話器まで、駆け足。

「はい、もしもし要ですけど」

『メイドさんかな?拓にぃ居ますか?」

拓・・・にぃ?

「誰?」

もしかして・・・拓斗!?

「はい、居ます 今変わります」

「もしかして、俺?」

コクッと頷く。

「はい、もしもし


「ああ ちょうど休みだ」

相手の声は聞き取れない。

「じゃあ、待ってる」

ピッと子機の電源を切り、元に戻す拓斗。