「じゃあ、早速部屋に行きますか」


「キャッ!」


急に龍守に抱き上げられる。


「下ろしてよ~」


「ダメ。俺が抱いて歩いた方が早いだろ。結菜もその方がいいよな?」


「よくない!」


バシっと龍守の頭を叩くと、渋々ながらも下ろしてくれた。


「恥ずかしいからやめてよ」


「俺は恥ずかしくない」


「私は恥ずかしいの」


龍守に手を引かれながら廊下を歩き、外に出て駐車場に向かう。


「あっ、待って。携帯震えてるかも」


その途中、バイブにして鞄に入れておいた携帯が鳴った気がして、歩いていた足を止めて鞄から携帯を取り出した。


「あっ、愛ちゃんからメールだ」


メールの画面を開くと、絵文字いっぱいのカラフルな文章が目に飛び込んできた。