「ごめん。またマイワールドに入っちゃった。」

「大丈夫だよ。」


聡美の笑顔を見てやっと自分が落ち着いたんだと確信する。


「あのね、聡美。」


あの人達とのことを話す。


財布を拾ってあげたこと
無理矢理絡まれたこと


ただそれだけのことなのに、あたしはうまく話せなかった。

でも聡美はじっとあたしの目を見て頷いてくれた。