はっとして振り返る。

見れば、さっきの人達だった。



最悪。

さっきまでは忘れてたのに。

胸の奧で煙突から煙が出てるみたい。

その煙は黒かった。


「いやー、奇遇だねっ!部活帰り?」


モヤモヤ

胸の中が煤(すす)で真っ黒になりそう。


「誰?知り合い?」


聡美が小声で聞いてきた。


「あ、えっと…。」


これはどう説明すればいいのか。

とにかく、さっき起きたことを全て話そう。

別に悪いことしたわけじゃないんだし。


「あのね、聡美。この人は――」



その時、列に割り込んでくるかのように声を発してきた。


「友達でーす!」