「ゆみかー
今日、どうしたの?」

「え?なにが?」

「体が固かったよ?
気のせいならいいけどさ。」


こういう時、長年付き合ってきた友達は恐ろしい。

全てお見通しということだ。


「そんなことないよ!」

「ならいいけどさ。」


聡美の言う通り、今日の部活には集中できなかった。

多分、あの人達のせいだ。

忘れたいのに…

相手にするんじゃなかった。


「ゆみかっ♪
今日、帰りひま?」


聡美が身を乗り出す。


「うん。
特に何も無いけど…」

「じゃあさっ、帰りにゲーセンでプリ撮ろうよ?」


そこまで乗り気でもなかったけど、今日の事は全部無かった事にしよう。

そうすれば大丈夫。

明日から部活も集中できるはずだ。


「うん。行こー♪
どこのゲーセン?」

「あの駅前のっ」

「りょーかい」


駅前のゲーセンは中学校から近い。
家に帰るまでに少し回り道をすればすぐに着く。


「んじゃ、着替え終わったから校門の前で待ってるよー」


着替えるのが遅い聡美を置いて、更衣室を出た。