「あ~あ。もう、何でこんな事になっちゃったんだろ」


ベッドに寝転がりながら、私は天井を見上げて呟いた。


車から降りる間際、佑斗は私の方を振り返って、こう言ったのだ。


「荷物、後で送り返すから」


そこまで言う?


さすがにカチンときて、私は無視して家へ入ったのだ。


もういいや。


本当に婚約破棄になっても。


お陰で自由が手に入ったもん。


ため息まじりに目を閉じた時、愛美から電話がかかった。