「若旦那~!!」


朝から、晴彦が佑斗を探して叫んでいる。


「晴彦!!帰って来てたの?」


「あっ、若姐さん。そうなんスよ。昨日・・・。ところで、若旦那は?」


一週間ぶりに会ったというのに、晴彦は何だかせわしい。


「竜二のとこ。話しがあるって言ってたけど・・・」


そう言うと、晴彦の顔は青ざめた。


「そう・・・スか。あっ、若姐さんは出かけないでくださいよ」


「ええ~!!またぁ?」


がっくりと、肩を落としてしまった。


晴彦は、佑斗の一番弟子みたいな存在。


婚約したばかりの頃は、私が狙われているからと、四六時中、晴彦と行動を共にしないといけなかった。


最近は、そんな事もなくなって、せいせいしていたのに・・・。


「それって、佑斗命令?」


ため息まじりに聞くと、晴彦は頷いた。


「昨日の夜、そのメールを貰ったんで」