『いや……姉は変態です。』
太一くんの家庭教の休憩中
俺は太一くんに言ってみた。
小春ちゃんて天然だね?と。
へ…変態?
『もう…何かされてしもたんですか?』
太一くんが気の毒そうな目で
俺を見た。
『いや…まだ大丈夫だよ…?』
まだ…?
これから何かされるのか俺?
太一くんは少し笑顔を見せた。
『そうですか…
まぁ姉には気をつけて下さい。
直樹さんカッコいいから…
きっと姉の好みやと思います。』
……
一目惚れとは言われたかな―…
でもそれは
いくら弟さんでも言ってはいけない気がして黙っておいた。
俺はお盆の上のジュースを
一口飲んだ。
『太一くん今日さっそく
本屋に赤本買いに行ける?』
『あ、大丈夫です』
太一くんは腰をあげた。
『俺も行くよ』
微笑んだ俺に
太一くんは頭を下げた。
俺と太一くんは家を出た。