そんなこんなで10日ぐらい経ったある日の夜、

隣の部屋から出て来る、キチンとスーツを来た女性に出くわした。

え?

彼女は出来る女性って感じで凛としていて、女性から見ても目を奪われるようなキレイな大人の女性だった。

私の目の前で彼の部屋の鍵を掛けている。

合い鍵持っているの?
彼女なの?

今見ている目の前の光景に頭がついて行けない。

とっさに動く事が出来ず、きっと私は間抜け面で立ち尽くしていたんだろう。

「こんばんは」

立ち去る彼女に声を掛けられてしまった。

「こ、こんばんは」

私はペコリとお辞儀した。

その瞬間、目に入る私の格好。

ひらひらのミニスカにロングブーツ。

自分の趣味全開ではないとしても、私の格好は所詮子供じみている。

彼に似合ないよ…と言われているようで涙がこぼれ落ちそうになった。

私が顔を上げた時には、ちょうど彼女が私の横を通り過ぎた時で、大人の甘い香りが漂ってきて。

すれ違い様にただ挨拶されただけだけなのに、彼は私の物よ…と言われた気がした。