☆眠れる森の王子様
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次の日の朝。AM8:30。



「眞緒ー、ハルくんが来たわよー」


「はいはーい。今行くー」



ずっしり重いトートバックを肩にかけて階段を下ると、



「なに持ってんだ? お前」



あたしの姿を見て、ハル兄が首をかしげている。



「なにって、勉強道具だよ。英語と日本史の教科書とー、ノートとー、念のため辞書でしょー、それから、」


「今日はそんなの持っていくことないから」


「え? なんで? 青空教室でしょ? 公園とか広場で勉強するんじゃないの? こう、さわやかに」



今度はあたしが首をかしげると、ハル兄はぷっと噴き出した。