「杏!!」

「杏ちゃん!!」


「「さっきのどういう意味!?」」



5限目が終わったとほぼ同時。

タズちゃんと翔君は息ぴったりに声を合わせ、わたしの席へとやってきた。

二人の迫力に、額に冷や汗をたらし、あはは……と苦笑いを添える。



「えっと……わたしもよく、わからなくて……」



急に生徒会室に連れてかれて、今日から俺の彼女ねって言われて……もう、何が何だか……



「わからないって何!?わからないのに付き合ってるの!?」

「やっぱりあの男に脅されたんじゃ……ッ、許せないな……」



歯を食いしばり、おぞましいオーラを出すタズちゃんと翔君。

そうです、まさに脅されました……とは言えず、再び苦笑いを浮かべた。



「あたしが生徒会長にぎゃふんと言ってやるわ!!こんなにもか弱い杏を……許せないッッ!!」

「安心してね杏ちゃん。僕たちが守ってあげるから」