夢を見た。

辛く、悲しい夢。



『奈央、そいつはほっとくんだ』

『で、でもっ…』


血まみれで、今にも死にそうな男。
小さい頃のあたしは、男を見、怯えてる。


『たっ…たすけ……くれ…』

男があたしに縋りつく。

手に、男の血がベットリとつく。


『ヤッ! ふ、ふぇ…』


恐怖のあまり、男の手を振りほどき、涙が溢れ出る。


『奈央に触ってんじゃねぇ!』


ドガっ

『ダ、ダメ! 俊平! ダメっ!!』