「ルカ様、失礼致します」



コンコンとノックをし、重そうなドアを開けたシキ。


……驚いた。


シキが開けたドアの隙間から、物凄く高い天井がチラリと見えた。


なんじゃこりゃ。

どんだけ天井高いんだよ。


普通に広すぎる部屋が、余計広く見える。


中も凄いな。


足元のじゅうたんといい、ベッドといい、ライトといい。


さっき通された部屋より、豪華だ。


これが、“魔界の王子”の部屋。


庶民の私には、考えられんな……



「ああ、ルカ様。
出かけておられたのですか」



シキの声に、パッと振り返る。


すると、ドアの前にひとりの少年が立っていた。



……あ


「さっきの……」