秘書の津村の幼なじみとは……。
 マジで驚きで開いた口が塞がらなかった。

 
 早く気付いていれば……こいつに若菜を……。


 今更…言っても…この契約結婚は…進行していた。


 「若菜とは久しぶりに会ったのか??」


 「まあ~若菜は中学受験に合格したとたん…学校近くのマンションに引越しし
ましたから~」


 「そうか~」


 信号待ちで俺たちは会話を交わした。

 青信号…再び…走り出す車。


 流れる風景を俺は何気なく眺めていた。


 若菜が卒業までの…期限付きに結婚…。

 その時…どうやって別れようかなんて今の俺は考えてなかった。


 今朝の朝食。

 一人で淡々と義務のように食べる食事が楽しく思えた。


 目の前で柚木の食事を美味そうに食べる若菜。


 若菜の存在が俺の日常に…変化をもたらした。