――翌日。


「はあ……❤かっこいい…❤」


ああ…もう…。

どうせ死ぬなら今この幸せな瞬間がいい…。


「キャーーーッ❤❤❤」


……というピンク色の幸せ気分は、黄色い歓声によってパチンと弾け散った。


「誰、誰!? あの人!」


「モデル? プロだよね、見たことなぁい」


女子高生の集団が、手を取り合ってキャーキャー言いながら見ているのは、そう。

あ・た・し・の、先輩だったりする。

……もっかい言うけど、あ・た・し・の…ね?


そしてその先輩は殺人的オーラを放ちながら写真を撮られている。


「いーねぇー! もっとニラんでもっとニラんで!」


…かめらまんさん。

本気で睨んでるんですよその人。

なにも演技してるわけじゃあないんです。





…こんなことになってしまったのは、当然先輩の本意ではない。

それは、今を去ること三十分……そう、久々にでぇと❤に出かけた直後のことである。