なんとか日誌を書き終えた辻之内と職員室に来ていた。

職員室のちょうど真ん中あたりに位置するキジモンの机。

主は不在のようだから、プリントの束や辞書で山になってるそのてっ辺に日誌を置いた。


「日直の仕事って、これで完了?」


ぽつりと呟いた辻之内が、あたしを見下ろした。


「う、うん」

「そう。じゃあ帰ろっか?」


さっきの教室での出来事のせいで、あたしは明らかにキョドっていた。

辻之内に続いて職員室を出ながら浅く息を吐く。

本当は深呼吸したいのに、上手く出来ないみたいななんだかとっても妙な状態が続いてる。

鼓動は、数十分前までマラソンしてました……ぐらいのリズムをまだ保ってる。

なのに。
この男といったら、なんにもなかったような顔してっ。