好き、という感情は恐ろしい。

積もるほどに、自分を見失う。

知らない自分、イヤな自分、信じられない自分が感情の底からあらわれる。

よろこびが増すほどに、さらなるよろこびを欲す。

相手のことを考えすぎる。

単純だった世界が、どんどん複雑さを増していく。

好きというたった一つの想いが、あらゆる感情をはきだしてくる。

その苦しみはやがて「好きをやめることで、ラクになれるんじゃないか」とすら思わせる。

でもやめることはできない。

「好き」だから。

好きが積もりすぎて

なにかが崩壊し

大粒の涙がこぼれる。

この感情

この苦しみを

とめられるのも

好きという感情だけだとわかっている。




好きは

弱い自分に気づかせてくれる

好きは

自分をどこまでも強くしてくれる。

好きっとても

人間らしい感情だ。