なんてことだ。




明らかに出かける前とは異なる部屋の状況に、首を傾げることもできない。




それもそのはず。




目の前には見たこともない男が堂々たる態度で居座っていたのだから。




「あ、おかえり」




私の様子を知ってか知らずか、男は平然とそう言った。




ちなみにこの部屋の住人は一人。




しかもそれは紛うことなく私のはず。