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引っ越しの手伝いも終わり、俺は閖といる理由がなくなった。



もっとそばにいたいと思うのになにも行動できない自分に焦りを感じた。



なにか声かけろよ…。



一緒にいれるにはどうしたらいいんだよ。



必死に頭で考えるが、なにも浮かばずただ時が過ぎていく。



「すいません…」



どうしようもないなんて考えてたときに、閖が不意をつくように声をかけてきた。



ドキッと幸せな感覚に襲われつつも、平静を装う。



「どうした?」



話すだけでドキドキする。



こいつは俺にとって特別。



最高の女。



こいつ以外は誰もいらない。



手に入らなくてもそれ以外の女なんていらねぇ。



「今日はありがとうございました!………その今度改めて…お礼させてもらえませんか?」



少しおろおろしつつはにかむ目の前の女は、堪らなくな愛しい。



そしてその女の誘いは、嬉しいものでしかなかった。



サンタなんか信じたことなんて昔からなかったが、今なら信じる。



クリスマスは1日過ぎたけど、俺にとってこいつとの出会いが何よりのプレゼントだと。



そういや、こいつに惚れたのは昨日……クリスマスだったな…。



ピッタリじゃねぇか。